OCTAGON

皆さんこんばんは。いつもオールナイト・ニッポンばりの深夜の投稿でお騒がせのMATSUです。

今夜も最後までお付き合いください。

世の中の眼鏡には様々な形やスタイルがあります。

ラウンド(丸)、オーバル(楕円)、スクエア(四角)、ボストン(玉型)などなど…、その他にもたくさんの形があって皆さんも馴染みのある形の眼鏡はお持ちでしょう。

うちのお店に来た事ある人や眼鏡上級者の方はすでに知っていると思いますが、特に好きな形があります。

その名はオクタゴン(八角形)

知らない人や、まだ着けた事なくて未体験の人は 「えーマジすか、こんなの自分に似合うかな」って思う人もいるかと思いますが、ご心配なく。これがまた誰でも似合っちゃうんです。


不思議とラウンド(丸)やスクエア(四角)よりも顔に馴染み似合いやすく、面長な顔の人も丸顔の人も、どんな顔の形でもいけてしまう優れものと言える形です。

5年近く前にイギリス・ロンドンの買い付けでGETしてきた時はまだ世間では広くは知られてなかった形だけど、最近ではいろんなブランドがリリースするくらいすっかり定番になりつつある形。

奇抜な形に見えるかもしれないけど、遡る事1920年代、このオクタゴンという形はもうすでに存在していました。1920年代当時のカタログにもしっかり載ってます。その背景には”アール・デコ”が関係しています。

1925年、この年にパリで1900年に開催されたパリ万国博覧会が25年ぶりに行われました。1900年の大規模なパリ万博に比べると小規模なもので、装飾美術と工業美術の限られた分野を中心としたものだったようです。

この時の博覧会の正式名称はめちゃくちゃ長いですが「現代装飾芸術・工業美術国際博覧会 Exposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels Modernes」と言います。


これが当時のフライヤー。イケてるね◎

アール・デコの”装飾美術”と”工業美術”とは、生活様式に関わるデザインを指していて、建造物をはじめ、家具や内装、服飾や宝飾など身近な生活の中のデザインを制作する技術の事を言います。

この博覧会で最も注目された人物はあのココ・シャネル。ゴージャスなドレスや、あの有名な香水”CHANEL No.5″は大きな話題になって、その後の彼女は世界に知れ渡るパリ・ファッション界の女王となります。

ちなみに、”CHANEL No.5″はロシアの作曲家イゴール・ストラヴィンスキーとの禁断の愛で完成させた香水。その話はフランス映画”Coco Chanel & Igor Stravinsky”で観れます。映画のポスターのデザインもやはりアール・デコ。

なかなか面白い映画ですよ◎


アール・デコは言わば建造物の表層などの造形で、有名な建物ではエンパイア・ステート・ビルやロックフェラー・センターなどのデザインがあります。日本の昭和初期などの建物の壁に張られたタイルやアパートのベランダの柵など、ほとんどがアール・デコだと言えますね。懐かしい感じ。


デザインから見て分かる通り、アール・デコはシンプルで直線的なものが多く、安価な鉄筋コンクリートを用いていて、大量生産・大量消費を可能にした近代工業の象徴だったようです。

1920年代というのは現代の僕らの生活の枠組みができた時代で、空には飛行機が飛び、”動くアール・デコ”のクイーン・エリザベス号などの豪華客船による観光旅行が盛んになったり、汽車や車が走り始めたり、アメリカではテレビまで発明されたりもします。

この時代を象徴するリズミカルでメカニックなスピード感ある表現こそが、アール・デコのデザインの基調となったと思います。電波がビュンビュン飛んでる感じを表現したジグザグ模様やモザイク柄、スピード感のある流線型などは建造物や乗り物だけじゃなく、服飾や眼鏡のデザインにも用意られました。

ちなみに、後々のレコードジャケットもアール・デコ調のデザインが多く見られていきます。


そんな時代に突如と現れた眼鏡…オクタゴン(八角形)。カクカクしてる。

第一次世界大戦後の1920年代は「黄金の20年代」って言われる程にすごく景気が良く、ファッションを盛んに楽しむ人たちも一気に増えました。

アメリカもヨーロッパも、街には最先端のファッションでキメ込んだイケてる男女の姿があり、楽しむ為にイケてる遊び場を求めて、その頃大流行したJAZZが演奏されているクラブやキャバレーなどへ皆んな踊りに行ってました。

お洒落をしてジャズで踊る。この世代の人々を「ジャズ・エイジ」と呼びました。1920年代はラジオもレコードも普及して、人々の生活に音楽が身近な存在となった時代です。


僕は社会が自由を求めて活発に動き始めた時こそ、その衝動で何かが生み出されるものだと思います。オクタゴン(八角形)は1920年代という時代を象徴している。

コンサバな人たちがラウンド(丸)の眼鏡をしているのに対して、禁酒法の中で勢力を増していったギャングたちや、その他リベラルな人間が好き好んでオクタゴン(八角形)を着けていたのは、時代の思想と対極にいるファシズムへの抵抗の表れだったのでしょう。

時代は巡り続けて、60年代の自由を求めて音楽を愛したヒッピー達の影響にまで受け継がれていくのです。

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