事務所/ヴィンテージ眼鏡フレームへのレンズ加工 / CUTTING LENSES for VINTAGE EYEGLASSES at OUR OFFICE
毎日のようにやっているレンズ加工。 レンズ加工中はニンニクのような匂いを発するため、加工機は店内に置けず、昨年11月から事務所を借りた。
事務所は近く、店から歩いて1分だ。
天井ぶち抜いて、壁も天井も真っ白にDIYで改装した木造の日当たりの良い民家。
下はペンキ塗りの終盤戦。年末年始のころ。
そんなこんなで完成した。
用途が贅沢すぎな気がするが、物置、兼、レンズ加工の作業場。いまはそれだけ。
もうちょっとしたら仲間も増えてちょうど良くなるはず。
ここで毎日、レンズの加工をヒソヒソやっている。
レンズ加工にもいくつかこだわり、というか、ソラックザーデ独自のやり方がある。
まずは、ヴィンテージのフレームならではの配慮。
通常、どの眼鏡店でも加工の第1段階として、トレース機をつかってフレームの形状を読み取らせるが、うちでは、トレースよりもさらに前段階がある。
それは「型直し」。
フレームの形状をヒーターで整えて、作られた当時のオリジナルの形状に戻している。
「型直し」というと、当たり前のようにも感じるが、「フレームのレンズシェイプの型直し」を「レンズ加工の前」「トレースの前」にやることが大切なのだ。
これを最初にやるとやらないとでは、仕上がりのシェイプが大きく変わる。
特に60年代以前のデッドストックフレームはデモレンズ(形状記憶のためのアクリルレンズ)がなく、ユーズドと違ってレンズがずっと入ってなかったため、フレームの形状が丸でも少し楕円にゆがんでいたりということもありえる。
タートのアーネルを5本持ってくればそれぞれに形がちょっとずつ違う。
1本のフレームの左右のレンズの形状が違うことも多い。
下の画像では、向かって左側のレンズの方が右よりもレンズの高さがある。
これはこのモデルのオリジナルの形状を知っているかもしくは推測できる人間じゃないと型直しが出来ない。
リベット周りなどのフレームラインがミリ単位で違えば表情も変わる。
キャットアイみたいにつり上がったタートのアーネルも見たことがある。もちろん他店でレンズを依頼されたモノだ。
そこまで極端でなくとも、やはり表情は微妙に全て違うといってもいいくらい。
だからこれをオリジナルの形状を知っている僕たちが、自分の手で型直しをかけることが非常に大切なステップなのだ。
「型直し」を終えると、次にトレースをする。
フレームを専用の場所に置き、レンズシェイプをトレース機がなぞって読み取る。
以下、トレース結果のレンズの形状が出ている画面。ちなみに加工機はTOPCONの最新機種。ヴィンテージじゃない。
ほかにも、「プラスチックレンズ」とは違う、「ガラスレンズ」ならではの注意点がいくつかある。
たとえば下の2つ。
1、少し小さめに削る(フレームへの負荷を最小限にするため)
2、レンズを1枚削るたび、加工機の中に散らばったガラスの破片を洗い流す(次のレンズを削るときにレンズを傷つけないため)
他の多くの眼鏡店ではガラスレンズは年間通じて10組やるかどうか、というくらいの率だから、毎回が「久しぶりのガラス」なわけだ。
このような配慮や手間は、やはりリスクに感じ、実際に削り方によってはレンズをチップしたり、割ったりして、お客様の見えないところで再発注することになる。
そんなリスクを見越して、ガラスは価格設定が高めのところも多い。
いつもはフレームの話ばかりやっているが、レンズ加工も頑張っています。という話でした!
持込フレームへのレンズのご依頼も大歓迎。
他の眼鏡店で断られて、うちが最後の砦、というケースも多いですから、受けないわけにはいきません。
毎日のように、古着屋などで見つけられたユーズドのヴィンテージを持ち込んで頂いている。
ユーズドは実際に破損のリスクがしっかりあり、僕らもユーズドはたまに割ります。が、その際でも修理が出来ます(有償)。
店頭でも、通販でもオーダー可能。でも、店頭の方が視力測定、フィッティングという重要な2つが出来るので良いですよ!
SOLAKZADE
Tatsuya Okamoto
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