Preparing for Our Own Line: Take a look back at Osaka, Sabae and Tokyo
[SOLAKZADE in 大阪]
2005年、大阪で生まれたSOLAKZADEは ヴィンテージアイウェアのショールームとして創業し、特に創業時の10年前から 大阪のレンズメーカー、工具屋さん、職人さん達に助けていただいた。
当時の SOLAKZADEの事務所からすぐの距離に、職人が複数おられたので、一時期は毎日のようにヴィンテージフレームのレンズ加工やバフ磨きをお願いしに足を運んでいた。 その後すぐに材料屋さんを頼って自前の道具を少しずつ揃え、見よう見まねでバフ磨きやフレーム調整、鼻盛りなどを独学していった。
独学にも行き詰まることが多々あり、職人さんからコツを伝授していただいたこともあった。
仕入れた未使用のヴィンテージフレームをそうやって触るのが楽しくて仕方なかった。 その楽しさを知ったのは近くにいたあの職人さんたちや工具屋さんのおかげだ。
SOLAKZADEにとって、大阪で創業できたのは幸運だった。
[SOLAKZADE in 鯖江]
5年前に、初めて鯖江に行った。
4年前も、鯖江に行った。 KISSOの吉川さんに、フレーム制作にとって重要な3社を紹介いただいた。
そして鯖江で中古の製作機械を買い揃えて、自分たちだけでフレーム製作するようにもなった。
セルフレームを自分たちの手で作るようになったことで、製造面からヴィンテージのディテールが分かるようになった。
蝶番の設置方法や、フレームの角出し、フロントフレームのカーブ、ブリッジ内側の処理、鼻パッド、それらのディテールが、国、時代ごとに違うことの理解を深める。
フランスやイギリスのプラスチックフレームで1960年代以前のモノは蝶番が座掘りされていない。
アメリカや日本のプラスチックフレームは古くても座掘りされている。
形状の違いは見たらすぐ分かることだが、でも、実際にどっちもやってみると、明らかに座掘りなしでは蝶番をカシメにくい。
しかもわざわざピンの頭を削っている。
機能上の理由は皆無なので、見た目の美学でやり続けていたのだろうか。
フレームの角感が残っているのを見ても、自分がバフをやるから、こんなに角を残すのは難しいよなぁと感じる。
作って実際にやってみないと、そんなこと感じなかっただろう。
ヴィンテージフレームのモノとしての理解を、より深めることができたのは、大阪と鯖江の方達のおかげだ。
創業時のSOLAKZADEにとって、関西を拠点にしていたのは幸運だった。
[SOLAKZADE in 東京]
3年前に東京に出て、SOLAKZADEの店を出した。
東京が鯖江に次いで、眼鏡の産地であることをこの地で知る。
東京の眼鏡作りは、金無垢や鼈甲といった高級素材で1つ1つにかなりの手間をかける工芸的なやり方。
東京近郊の作り手の数は1980年代の頃の5分の1ほどになったそうだが、まだしっかりとやっている方がいてくれるのが有難い。
そして2015年、SOLAKZADEが初めてオリジナルでフレームを作り始めた。
メッキじゃない、無垢素材で。
18K(24分の18、つまり75%が金)とかSILVER925(1000分の925、つまり92.5%が銀)とか。
いまの眼鏡ブランドの素材は、チタンか金メッキ(地金はニッケル銅合金)しか使わない。
ヴィンテージをやってきた僕らにとってはやっぱり質感が重要なので。
使うべき素材は金、銀の無垢に自然に落ち着いた。
メタルフレームは、金型やプレスについての理解が欠かせない。
この辺りの知識は、鯖江と東京の複数の方々が、例えば僕らの鯖江の兄貴的存在、KISSOの吉川さんがホワイトボードを引っ張り出して説明してくれたり、東京の金無垢職人の桑沢さんが機械で目の前で実演して見せてくれたり、名古屋眼鏡の石川さんが長電話に付き合って説明してくれたり、鯖江の田賀さんが原宿の店に何回も出向いてくださりカルティエを例にとって説明くださったり、鯖江の中村さんも原宿の店に来てくださって立ち上げ当時に担当されたOLIVER PEOPLES、MATSUDA、CHROME HEARTSのアイウェアライン立ち上げの時の話を聞かせてくれたり、と諸先輩方の熱い授業のおかげで、メタルフレームについてそのデザインを構造的に、そして製造方法を体系的に知ることができた。
SOLAKZADEにとって、東京に店を出したのは、今回のオリジナルフレーム製造においても幸運だった。
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